たかが猫背と侮るなかれ

プッシュアップで手の着き方、スピンバイクの手の置き方 鉄棒やつり輪を握る親指は出しましょうなど 手の位置をなぜ細かく指導しているのか?
それは猫背になりやすい環境を避けるためです。
猫背が良くないことは皆さん知っていますが 姿勢が悪くなる、見た目が良くない、肩が凝りやすいから良くないと 認識されている肩が多いですね。
もちろんそれらも大事なのですが健康を考えるともっと大切なことがあります。
それは ①心肺機能が落ちる ②内臓の動きが悪くなる ③重心が落ちる ことが挙げられます。
まず①は猫背になると、胸側の筋肉が縮まります。 猫背で胸の筋肉が縮まり続けるとその下の肋骨の動きが悪くなりますね。 肋骨の下には心臓と肺があるので、その動きも悪くなるのです。 心臓は血液循環のポンプの役目、肺は酸素を送り出す役目がありますが その仕事を十分にさせてもらえなくなるのです。
②猫背になると呼吸がしっかり行えなくなります。 山にハイキングに行ったとき、深呼吸をするときには胸を広げて 目線を上げていっぱい息を吸い込みますよね。 逆に下を向いて猫背では酸素が入ってきません。 呼吸をするとき、内臓の横隔膜という所が動いて 横隔膜が上下運動することで内臓もしっかり動けるのです。 呼吸が浅いと?横隔膜の動きが悪い→内臓の動きも悪くなります。
③猫背になっている人と、姿勢がシャンとしている人。 不調が多く、回復力が低くなりやすい人はどちらでしょう? もちろん前者ですね。
日本人は昔から農耕が盛んでした。床に座り正座をする 和式便所などもあったため、欧米民族より重心が低い民族でもあります。 それでも昔の方は、今の人より圧倒的に生活の中での運動量が多かったので 足腰がしっかりしていました。
現代人はどうでしょう?子供でも運動不足ですよね。大人になるとさらにそうです。 ということは、いろんな不調が出て、回復力が低いのも当然のことです。
たかが猫背と侮るなかれ。
個人的には、身長測定値以上に高く見られるくらいが 非常に良い姿勢ができていると思います。 視界が明るい・広く感じるなども良い感覚ですね。